勤怠管理には正確性が求められますが、手動で行うと時間がかかり、ミスもしやすくなります。
効率的な勤怠管理を実現するためには、専用の勤怠管理システムの導入が不可欠です。
本記事では、労務担当者が勤怠管理システムを導入する際の注意点やシステムの選び方について紹介します。これから導入を検討している方や自社にあったシステムを探している方はぜひ参考にしてください。
1.勤怠管理システムの基本
勤怠管理システムとは、従業員の出勤状況や勤務時間、休暇の管理などを行うためのシステムです。
特にパソコンで使うものを指すことが多く、国内でも30製品以上の専用ソフトウェアやアプリが提供されています。
ほとんどのシステムで、出勤・退勤時間の打刻や勤怠状況の修正、休暇や残業の申請・管理機能などを搭載しており、勤怠情報の一元管理が可能です。
また、労務全体をカバーするシステムでは、勤怠管理以外に給与管理や保険料計算、シフト作成などにも対応しています。
2.勤怠管理システムを導入するメリット
勤怠管理システムを導入することには、以下のようなメリットがあります。
- 労務関連のコスト削減
- 正確性の向上
- 勤務時間の可視化
以下でそれぞれについて解説します。
メリット1.労務関連のコスト削減
勤怠管理システムにより、従業員の勤怠情報を効率的に管理できるため、労務のしごとにかかるコストを削減できます。
例えば、勤怠情報を自動的に集計し、給与計算や社会保険の手続きを簡素化することで、人件費節約やペーパーレス化が可能です。
また、勤怠情報をシステムで管理することで、勤怠記録の不正や無断欠勤などの防止にも繋がります。
メリット2.正確性の向上
システム上での管理はヒューマンエラーを減らし、正確なデータを取得できます。例えば、従業員が勤怠情報をスマートフォンやパソコンで入力し、管理者が承認する流れを設定すれば、記録の漏れや重複、誤入力などのミス防止になります。
また、システム上では勤怠情報をリアルタイムに確認可能なので、データの整合性や信頼性が高まります。
メリット3.勤務時間の可視化
勤怠管理システムには、従業員の勤務時間を可視化する機能があります。活用次第で労働時間の適正化や労働環境の改善が可能です。
従業員の勤務時間や残業時間をグラフや表で表示し、平均や上限と比較することで、労働時間の傾向や問題点を把握できます。
従業員自身が自分の勤務時間を確認できるので、自己管理やワークライフバランスの意識向上にも役立ちます。
3.勤怠管理システムを選ぶ際のポイント
勤怠管理システムを選ぶ際は、自社のやり方とあっているか、使いやすいシステムかなどを見極める必要があります。
特に重視すべきポイントを以下にまとめましたので参考にしてください。
(1)自社にあった機能が充実しているか
勤怠管理システムで特に重要な機能が、残業管理や勤怠データの集計です。
効率的な勤怠管理を実現するためにも、これらの機能が備わっているかあらかじめ確認しましょう。
特に残業を管理する機能は、働き方改革に対応する上で欠かせません。
働きやすい労働環境を実現するためにも、従業員の労働時間を正確に把握し、個々の負担を調整する、などの対応をすべきです。
勤怠データの集計機能があれば、労働時間や休暇の使用状況などを一元管理することができ、労務担当者の負担を軽減できます。
さらに、勤怠データをグラフや表などで分析やレポートができれば、人事評価や給与計算などの業務にも活用が可能です。
その他、これまで自社で管理してきた方法にあったフォーマットに対応しているか、自社の就業規則にあった機能が揃っているかも確認するようにしましょう。
(2)従業員にとって使いやすいシステムか
勤怠管理システムは、従業員や労務担当者がストレスなく利用できることが重要です。
直感的に操作できるか、動作は重くないか、などを検証しながらシステムを選ぶことで、作業効率が向上します。
また、使いやすさを左右するのがカスタマイズ性です。
例えば、勤怠データの入力方法や表示形式、休暇の種類や申請フローを自由に設定できれば、自社のルールやニーズに合わせることができます。
(3)コスト面で問題がないか
勤怠管理システムの導入にはコストがかかりますので、トータルコストを把握することが大切です。
導入費用や毎月の利用料金、オプション料金など費用全体を通して考える必要があります。人件費削減や業務効率の向上などの経済効果がある場合、どの程度コスト面でメリットがあるか予測を立てるようにしてください。
4.勤怠管理システム導入の注意点
勤怠管理システムは選び方や使い方によって導入効果が大きく変化します。
システムを導入するだけではメリットを十分に享受することはできません。
システムを導入する際には、以下の3つの注意点を覚えておきましょう。
注意点1.社員に操作方法を周知する
システム導入時には、操作方法を従業員に周知することが重要です。
教育・トレーニングの方法としては、以下のようなものがあります。
- システムのマニュアルを配布する
- Q&AやFAQを作成する
- システム導入時に本社でヘルプデスクを設置する
これらの方法を用いて、従業員にシステムの目的や機能、操作方法を伝えましょう。
運用開始後も従業員の理解度や満足度を定期的に確認するようにしてください。
サポート体制の整ったシステム提供会社を選ぶことも重要です。
注意点2.デモで使いやすさと拡張性を確認する
システムを選ぶ際にはデモ版の提供があることが多いです。
デモ版の使用時に、システムの操作性や、必要な機能が揃っているか、機能の追加や削除がが容易に行えるかなどをチェックしましょう。
特に以下のポイントは必ず確認してください。
- システム画面のみやすさ(色や文字の大きさ、ボタンのわかりやすさ)
- 動作の反応速度、エラー発生率
- 機能の追加・削除方法
- 設定画面の見やすさ、機能の探しやすさ
- シフト管理システムや給与計算システムとの連携可否
注意点3.セキュリティレベルをチェックする
勤怠管理システムは機密情報を含むため、セキュリティ対策が重要です。
システムのセキュリティレベルを確認し、従業員の個人情報漏洩や不正アクセスを防止する対策を行いましょう。
5.おわりに
勤怠管理システムの選び方や注意点について紹介しました。
勤怠管理システムは労務コストの削減、データの正確性の向上、勤務時間の可視化という3つのメリットがあり、これらは企業の経営効率や従業員の働きやすさ向上に影響します。
システムを選ぶ際には、使いやすさ、コストなどの要素を押さえ、最適なシステムを見極めることが大切です。 勤怠管理システム導入によって業務を効率化し、働きやすく生産性の高い組織を目指していきましょう。
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