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パートの労働時間の上限はある?社会保険加入条件についても詳しく解説

パートの労働時間の上限はある?社会保険加入条件についても詳しく解説 未分類

働き方改革によって長時間労働の是正が進められています。
また、社会保険に関する法改正もおこなわれており、従業員の労働環境はめまぐるしく変化しています。
この記事では、パートタイムなどの短時間労働者にスポットをあて、労働時間に関するきまりや、パートの社会保険加入条件についてまとめました。
最新の法改正に則った内容を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

【関連記事】従業員50人以下だと社会保険加入はどうなる?条件をわかりやすく解説

1.パートの労働時間に関するきまり

労働時間や休日、休憩、有給休暇に関する基本的なルールは、雇用形態によって大きく異なるわけではありません。
正しい制度理解がないまま働き方を決めてしまうと、知らず知らずのうちに法律違反やトラブルにつながる可能性もあります。
ここでは、パート勤務に関して最低限押さえておきたい労働時間の基本ルールを整理しました。

(1)労働時間の規定は雇用形態関係なく同じ

「パートの労働時間は正社員より短くなければ」と思われがちですが、法律上の決まりはありません。
労働時間の上限は、労働基準法第32条により「1日8時間、週40時間」と定められており、この規定は正社員・契約社員・アルバイト・パートといった雇用形態を問わず共通です。
そのため、パートであっても、条件次第では正社員と同じ時間働くこと自体は可能です。
また、月単位や年単位で労働時間を調整する「変形労働時間制」を採用している場合、1週間あたりの平均労働時間が40時間以内に収まっていれば、日ごとの労働時間が8時間を超える日があっても問題ありません。

(2)労働日数も法律で決められている

労働時間だけでなく、労働日数についても雇用形態による違いはありません。
労働基準法第35条では、休日について「毎週少なくとも1回、または4週間で4日以上与えること」が義務付けられています。
そのため、1日の勤務時間が短時間であっても、週7日連続で働く契約は原則として認められていません。
繁忙期などで連続勤務を希望する場合でも、週1日の休日が必要となるため、連勤できる日数には上限があります。
週単位で休日を確保する場合、実務上可能なのは最大12連勤までです。

また、2026年の法改正によって、連続勤務は最大13日までになります。
長期間働き続けることで疲労が蓄積し、健康リスクが高まるためです。
繁忙期に同じ人へ勤務が集中すると、14日以上、最大48日の連勤が起きていました。
この状況を防ぐため、上限が明確に設定されることとなります。

(3)6時間以上の勤務で休憩時間が必要

休憩時間についても、労働基準法第34条により明確な基準が設けられています。
労働時間が6時間を超え8時間以下の場合は、少なくとも45分の休憩を与えなければなりません。
8時間を超える勤務では、1時間以上の休憩が必要です。
これらのルールも、正社員・パートを問わず一律に適用されます。
「忙しいから休憩なしで働く」といった運用は、本人の同意があっても法律違反となる点には注意が必要でしょう。

(4)半年以上勤務で有給休暇を取得可能

年次有給休暇は、心身の疲労回復や生活のゆとりを確保するために設けられた制度です。
パートやアルバイトであっても、条件を満たしていれば有給休暇を取得できます。
具体的には、「6ヶ月以上継続して勤務していること」と「全労働日の8割以上出勤していること」の2点が要件です。
これらを満たせば、雇用形態にかかわらず有給休暇は付与されます。
ただし、1週間の所定労働時間が30時間未満の場合は、フルタイム労働者とは付与日数が異なるため、事前に確認しておくことが重要です。

2. パートの社会保険加入条件

近年、短時間労働者の社会保険加入を促進するため、制度の見直しが段階的に進められてきました。
その結果、パートやアルバイトでも社会保険の対象となるケースは確実に増えています。
企業の担当者にとっては、加入条件を正しく理解していないと、意図せず未加入状態を生むリスクも否定できません。
ここでは、現在の制度に基づき、パートの社会保険加入条件を整理しました。

(1) 週20時間以上の所定労働時間

パートが社会保険に加入するかどうかを判断するうえで、最も基本となるのが週の所定労働時間です。
社会保険の加入対象となるのは、労働契約で定められた所定労働時間が週20時間以上の場合です。
ここでいう所定労働時間には、残業や休日出勤などの時間外労働は含まれません。
例えば「週4日・1日5時間」といった契約であれば、所定労働時間は週20時間となり、条件を満たします。
また、契約上は週20時間未満であっても、実態として週20時間以上の勤務が2ヶ月を超えて継続した場合、3ヶ月目から加入対象と判断される点にも注意が必要でしょう。

(2) 2ヶ月を超える雇用期間の見込み

社会保険の加入条件には、雇用期間に関する要件も含まれています。
具体的には、2ヶ月を超えて雇用される見込みがあることが必要です。
この基準は、2022年10月の改正により、それまでの「1年以上」から大幅に緩和されました。
「見込みがある」と判断されるのは、雇用契約書や就業規則に「更新あり」「更新の可能性あり」と記載されている場合です。
また、同様の契約形態で実際に更新された実績がある場合も、2ヶ月超の雇用が見込まれると判断されます。

(3) 月額8万8千円以上の賃金水準

賃金要件も、社会保険加入を判断する重要な基準の一つです。
時給や日給で支払われている場合でも、月額換算で8万8千円以上となる場合は加入対象に該当します。
ここで注意すべきなのは、換算に含まれる賃金の範囲です。
時間外労働に対する割増賃金や、通勤手当、家族手当などは月額賃金には含まれません。
基本給や所定労働時間に基づく賃金のみで判断される点は、実務上も誤解が生じやすい部分と言えます。

【関連記事】【178万円の壁も】扶養と年収の関係|103万・106万の違いや社会保険の条件

(4) 原則として学生は加入対象外

学生アルバイトについては、社会保険の取り扱いが異なります。
高校生や専門学校生、大学生などの学生は、原則として社会保険の加入対象にはなりません。
たとえ労働時間や賃金など、他の条件をすべて満たしていたとしても対象外となります。
ただし、夜間学部や定時制課程に在学している場合は、学生であっても加入対象となる点には注意が必要です。
学生かどうかの判断は、学籍の状況を含めて慎重に確認する必要があるでしょう。

(5) 法改正による適用事業所の拡大

パートの社会保険加入条件は、個人の働き方だけでなく、企業規模によっても左右されます。
2020年の年金制度改正以前は、加入義務があるのは従業員数501人以上の企業に限られていました。
しかし、2022年10月からは101人以上の企業へと対象が拡大されています。
さらに2024年10月以降は、51人以上の企業も対象となるため、該当する事業所は大幅に増加しました。
これまで対象外だった中小企業でも、社会保険加入への対応が求められる場面が増えています。

3.社会保険に加入するメリット

社会保険制度は、さまざまなリスクに備えるための公的な保険制度です。
病気やケガ、介護、失業、労災などのリスクに応じて、健康保険、厚生年金保険、介護保険、雇用保険。労災保険の5種類が存在します。
社会保険に加入するメリットについてあらためてまとめました。

(1)将来もらえる年金が増える

モデルケース(月収88,000円)保険料増える年金額(目安)
40年間加入月額8,100円(年間97,200円)月額18,000円
20年間加入月額8,100円(年間97,200円)月額9,000円
1年間加入月額8,100円(年間97,200円)月額450円

出典:政府広報オンラインhttps://www.gov-online.go.jp/useful/article/201607/2.html

社会保険に加入すると、基礎年金に加えて厚生年金が加わり、将来もらえる保険料が増えます。
例えば月収88,000円で働くパートの場合、増える年金額の目安は上記の通りです。
厚生年金は在職中の保険料に応じた金額を受け取れる仕組みです。加入期間が長いほど増える年金額も多くなります。

(2)障がいがある状態になった時に年金を受け取れる

障がいがある状態になった場合、国民年金から障害基礎年金が支払われます。
厚生年金に加入していれば障害厚生年金や障害手当金を受け取ることが可能です。
受け取る年金額は障害等級によって異なります。

(3)企業が保険料の半額を負担してくれる

日本では「国民皆保険制度」といい、全員が何らかの医療保険に入る事になっています。
個人で国民健康保険に加入する場合、保険料は全額本人の負担となります。
社会保険料は事業主(企業側)が1/2を負担するため、個人の負担が半分で済みます。

(4)失業手当や出産育児一時金を受け取れる

社会保険は会社を退職した場合や出産・育児の際にも役立ちます。
たとえば、離職した日以前の2年間で通算満12ヶ月以上の期間、雇用保険に加入していれば、失業手当を受けることができます。
また、出産で会社を休んだ際には出産手当金、出産時には出産育児一時金など、子育て関連の手当が用意されています。

4.社会保険を正しく管理する方法

社会保険の加入判定は、労働時間や賃金、雇用期間など複数の要素が絡み合います。
手作業や属人的な管理では判断ミスが起きやすく、企業リスクにつながりかねません。
勤怠管理システムを活用すれば、社会保険に関わる情報を一元管理し、正確な運用が可能になります。

  • 労働時間を正確に把握する仕組み
  • 社会保険の加入ラインを自動で管理する方法
  • 従業員と管理者の認識ズレを防ぐ仕組み

以下、それぞれについて詳しく見ていきましょう。

(1) 労働時間を正確に把握する仕組み

社会保険を正しく管理するうえで、労働時間の正確な把握は欠かせません。
加入判定では「週20時間以上」といった明確な基準があるため、集計誤りがそのまま制度違反につながる恐れがあります。
紙やExcelでの管理では、漏れやミスが起こりやすく、実態と記録がずれるケースも少なくありません。
勤怠管理システムを使えば、打刻データが自動で集計され、所定労働時間と実績時間を常に可視化できます。
正確な労働時間データを基に判断することで、社会保険の加入可否を客観的に管理できるでしょう。

(2) 社会保険の加入ラインを自動で管理する方法

社会保険の加入条件は、労働時間や賃金など複数の基準を同時に確認する必要があります。
人の目で一人ひとりをチェックする運用では、見落としや判断のばらつきが発生しやすいでしょう。
勤怠管理システムでは、あらかじめ加入基準を設定しておくことで、条件に近づいた段階でアラートを出すことが可能です。
例えば、週20時間や月額賃金8.8万円に達しそうな場合に通知を出す運用が考えられます。
システムによる自動管理を取り入れることで、社会保険対応を安定して行える体制が整います。

(3) 従業員と管理者の認識ズレを防ぐ仕組み

社会保険に関するトラブルの多くは、従業員と管理者の認識のズレから生じます。
「扶養内だと思っていた」「加入対象になるとは知らなかった」といった行き違いは珍しくありません。
勤怠管理システムで労働時間や賃金の状況を共有すれば、客観的な数値を基に説明ができます。
従業員が自分の勤務状況を確認できる環境を整えることで、納得感を持った働き方につながるでしょう。
情報を見える化することが、社会保険を巡る無用なトラブルを防ぐ有効な手段と言えます。

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