Copyright © OM Network, Inc.

勤怠管理と給与計算を連動させるには?一元化するメリットやシステムの選び方を紹介

勤怠管理と給与計算を連動させるには? 未分類

勤怠管理と給与計算が同時に効率化できたらいいな、と考えたことはありませんか?
システムで2つの業務を連動させることで従業員の労働時間を正確に追跡し、給与計算を効率的かつ正確に行うことができます。
この記事では、勤怠管理システムと給与計算システムの基本機能、それぞれの業務でよくある悩み、2業務のシステムを連携させることの利点について詳しく解説します。

1.勤怠管理システムとは

勤怠管理システムは、従業員の出勤、退勤、休憩、残業などの勤務時間を記録し、管理するためのツールです。
労働時間の正確な追跡を通じて、法令遵守を支援し、人件費の計算を効率化します。

勤怠管理システムの機能

勤怠管理システムの多くは、以下の機能が備わっています。

  • 時間記録:出勤と退勤時に時間を記録
  • 休暇管理:有給休暇、病欠、その他の休暇の管理
  • シフト管理:従業員のシフトスケジューリングと変更
  • 時間外管理:残業時間の追跡と管理

2.給与計算システムとは

給与計算システムは、従業員の給与、ボーナス、控除、税金計算などを自動化し、正確に処理するためのツールです。
給与の計算、給与明細の生成、税金の申告書類の準備、関連する財務レポートの作成など、社内向けの機能も充実したものが多くあります。

給与計算システムの機能

  • 給与計算:基本給、時間外手当、その他の手当を含む従業員の給与を計算
  • 税金計算:所得税、社会保険料、その他の控除項目を自動計算
  • 給与明細の生成:各給与周期に対して、従業員ごとの給与明細を作成
  • レポーティング機能:給与支払いや税金の申告に必要なレポート作成

3.勤怠管理業務でよくある悩み

勤怠管理業務においては、さまざまな課題が存在します。
特に、システムで管理しておらずExcelで手入力している場合、非効率な部分が多いです。
以下に、勤怠管理でよくある悩みをまとめました。

(1)手作業による記録の手間

多くの職場ではまだ手作業による時間の記録が行われており、その結果、記録の不正確さや入力ミスが発生しやすくなっています。
この手間を省くためには、タイムカードシステムや電子勤怠システムを導入することで、データの自動化と精度の向上を図ることが大切です。

(2)残業時間の管理が複雑

残業時間の適切な管理が行われていない場合、従業員の過労や法令違反のリスクが生じます。
残業時間の正確な追跡と適切な承認プロセスを設けることにより、過剰な労働を防ぎ、法的な問題を避ける必要があります。

(3)シフト制の場合は調整が大変

サービス業や小売業など、シフト制の業界では、従業員の休日や勤務希望を考慮したシフト作成が非常に複雑になります。
また、シフト確定後の変更や急な欠勤などでは、勤怠管理とシフト管理両方に影響があります。

シフトの作成だけで終わらない、勤怠や労務まで幅広くカバーするシステムが必要です。

(4)他の労務管理との連携が大変

複数のシステムや手法で勤怠データが管理されていると、データの一元化が難しくなり、労働時間の監視や給与計算の正確性が損なわれることがあります。
労務管理全般の機能がそろった勤怠管理システムを導入し、全てのデータを一つのシステムで管理することで、データの整合性とアクセスの容易さを確保することが重要です。

(5) 不正打刻が防げない

従業員による時間のごまかしや不正打刻は、企業にとって大きな損失を意味します。
働いていないのに打刻をするのはもちろん問題ですが、早めにタイムカードを切って、残業していないように見せかけるのも労務管理の観点では大きな問題です。
最近では、生体認証などのセキュリティ機能を備えた勤怠システム、パソコンのログイン情報が記録として残るシステムも存在します。
実態に基づいた記録のためには、これらのシステム導入も有効です。

4.給与計算業務でよくある悩み

勤怠管理と同じく、給与計算業務もさまざまな課題が存在します。

給与計算業務でよくある悩みを以下にまとめました。

(1) ミスが起こりやすい

給与計算は勤怠記録や従業員情報を元におこないます。
要素が多く、ミスが起こりやすい業務ですが、給与計算のミスは、従業員の不満を引き起こし、企業の信用失墜に繋がりかねません。
誤った給与の計算は通常、データ入力ミスや勤怠データの誤解釈に起因します。
ミスを防ぐためには、給与計算プロセスの自動化が最も効果的です。

(2)最新の法を把握しきれない

税法や労働法の変更への対応は給与計算業務において最優先事項と言っても過言ではありません。
近年は働き方改革などもあり頻繁に法改正が行われていますが、把握しきるのは至難の業。
最新の法を遵守しない場合は罰金や訴訟のリスクもあるため、担当者には負担が大きい業務です。

(3)給与体系が複雑

ボーナス、インセンティブ、時間外労働、休暇と病気の給付など、多岐にわたる給与の要素を正確に計算し管理するのは大変な労力です。
雇用形態や勤務形態の多様化により、従来以上に複雑化しているのも否めません。

給与計算では、個々に合った対応がもとめられます。

5.勤怠管理と給与管理を連携するメリット

勤怠管理と給与計算はいずれも複雑な業務です。
それらが1つのシステムで連動し、一元管理できれば、人事労務関連の業務が一気に効率化できます。
連携するメリットは大きく5つです。

  • 大幅な業務効率の向上
  • 精度の向上
  • 法令遵守に役立つ
  • リアルタイムで分析可能
  • 従業員の満足度向上

(1)大幅な業務効率の向上

勤怠管理と給与計算が一体化されているシステムでは、従業員の出勤時間、休憩時間、残業時間などのデータが自動的に給与計算に反映されます。
データの入力ミスを減少させると同時に、人事や経理部門の手間を大幅に削減可能です。
手作業での入力作業が減少することで、時間を節約し、他の業務に集中できるようになります。

(2)精度の向上

システムが直接勤怠データを給与に反映するため、計算ミスが減少し、給与の透明性が向上します。
従業員は自分の勤怠データが正確に給与計算に利用されていることを確認でき、不信感や誤解が減ることが期待されます。
給与計算の正確性が保証されることで、法的な問題のリスクも低減するでしょう。

(3)法令遵守に役立つ

労働法規や税法など、変更が頻繁に行われる法令遵守の面でも大きな役割を果たします。
管理システムを利用することで、自動的に最新の法改正に対応できます。
法的な問題に対処するためのリソースを削減しながら、労働基準法に準拠した運営が可能です。

(4)リアルタイムで分析可能

統合システムでは、勤怠データと給与データがリアルタイムで更新・分析されます。
人事部門や経営陣は、労働コストの動向、部門別の人件費の状況、残業の傾向などを迅速に把握し、より効果的な意思決定を行うことができます。

人件費の管理を任されているマネージャーや店長にとっても大きなメリットです。

(5)従業員の満足度向上

給与計算の透明性と精度が向上することで、従業員の満足度が高まります。
また、従業員が自分の勤怠情報を簡単に確認できるシステムは、使い勝手が良く、従業員のエンゲージメント向上に寄与します。
離職防止・定着率アップも期待できるでしょう。

6.勤怠と給与が一元管理できるシステムの選び方

勤怠管理と給与計算を同時におこなえるシステムはいくつか存在します。

また、すでにどちらかのシステムを導入済みで、新たにシステムを追加したいケースもあるでしょう。

一元管理できるシステムを選ぶコツは以下の3つです。

  • 勤怠管理と給与計算がパッケージ化されたものを選ぶ
  • 現在使っているシステムと柔軟に連携できるシステムを選ぶ
  • シフト制の場合はシフト管理システムも連携できるとラク!

それぞれ詳しく説明します。

(1)勤怠管理と給与計算がパッケージ化されたものを選ぶ

最も簡単なのは、給与計算と勤怠管理がパッケージ化されたシステムを選択する方法です。

両機能がシームレスに連携し、データの整合性を保ちながら効率的に業務を遂行できます。
パッケージ化された製品は、一般的にユーザーインターフェースが統一されており、操作性に優れています。
一つのベンダーからサポートを受けられるため、問題が発生した際の対応がスムーズなのは大きな強みと言えるでしょう。

(2)現在使っているシステムと柔軟に連携できるシステムを選ぶ

組織が既に利用している他のシステム(人事管理システムや経営資源管理システム)との互換性や連携機能を持つ製品を選ぶことは非常に重要です。
新しいシステム導入による業務の中断を最小限に抑えつつ、データの一元管理や、システム間での情報の入出力をスムーズにします。
API連携やデータのインポート・エクスポート機能の有無を詳細にチェックする必要があるでしょう。

導入済みのシステム開発会社と、導入予定のシステム開発会社のサポート体制がカギを握ります。

(3)シフト制の場合はシフト管理システムも連携できるとラク!

サービス業や小売業など、シフト制の職場の場合は、シフト管理機能が組み込まれている、またはシフト管理システムと連携可能な勤怠管理システムを選択するのが理想です。
労務に関する全工程が連携できれば、シフトの計画から実績管理、それらを基にした給与計算までのプロセスがスムーズに行われます。
従業員の勤務状況に応じた柔軟なシフト調整が可能になり、労働力の最適化にも寄与します。

まとめ

勤怠管理システムと給与計算システムは企業運営の効率化と法令遵守に重要な役割を果たしています。
勤怠管理や給与計算で遭遇する問題への解決策、そしてシステム選択のコツを理解することで、組織はより効率的な労務管理を実現可能です。
この記事が最適な手法を選択する一助となれば幸いです。