現在タイムカードで勤怠管理をしていて、「勤怠管理を効率化したいけれど、何から始めればいいのかわからない」という人事労務担当者は多いです。
この記事では、タイムカードとExcelで勤怠管理をするメリット・デメリットや注意点、タイムカードをExcelで集計するためのテンプレートについて紹介します。
業務効率化やデジタル化の参考にしてください。
1.タイムカードとExcelで勤怠管理をする方法
タイムカードとExcelで勤怠管理をする方法は以下の流れです。
(1)労働者はタイムカードで勤怠状況を記録
従業員は出勤・退勤時にタイムカードを打刻し、勤務時間や残業時間などを記録します。
なお、タイムカードでの勤怠記録自体を廃止し、Excel上で各々が出勤時間・退勤時間を記録する方法もあります。
(2)タイムカードのデータをExcelに入力
管理者はタイムカードのデータをもとに、Excelに勤怠データを入力します。
Excelのテンプレートを利用すると、入力作業を効率化できます。
(3)データの集計・給与計算
Excelに転記した勤怠データの集計・分析をおこないます。
E関数やマクロを利用すると、勤務日数や欠勤日数、遅刻早退の有無、残業時間や深夜労働時間などを集計や給与計算も可能です。
2.タイムカードの集計をExcelで行う無料テンプレート
タイムカードの集計をExcelで行う無料テンプレートは、Web上に多数公開されています。ここでは、以下の3つのサイトで提供されているテンプレートを紹介します。
(1)bizocean(ビズオーシャン)
ビジネスで使える多種多様なテンプレートが34,000点以上用意されているサイトです。
勤怠管理にまつわるテンプレートだけでも300点以上がダウンロード可能。
勤怠管理表には、土日祝日で時給が異なる場合に対応できる「曜日割増機能」が付いたテンプレートや、残業手当が自動的に割増されるテンプレートなどがあります。
(2)Microsoft Office
Excelの開発元であるMicrosoft Officeのサイトでも無料テンプレートをダウンロードできます。
Excelが公式に用意していることもあり、高いクオリティのものが豊富です。
勤怠管理にまつわるテンプレートでは「勤務管理表」「給与計算表」「タイムカード」などが用意されています。
(3)EXCEL勤怠テンプレート
無料公開されている勤怠管理のテンプレートがまとめて紹介されているサイトです。
タイトルで各テンプレートの用途がわかりやすく掲示されているので探しやすいのが特徴です。
夜勤、深夜残業、休日残業、休日深夜残業など分けて集計することができるテンプレートや、英語のエクセルテンプレートもあります。
3.タイムカードとExcelで勤怠管理をするメリット
(1)コストがかからない
ExcelはWindowsパソコンに標準で導入されているケースがほとんど。導入コストがかかりません。
また、Web上にはさまざまな集計表や勤怠管理表のテンプレートが公開されています。
一から自力で数式を組む手間を省略できるのも大きなメリットです。
(2)自由度が高い
Excelの知識やスキルがあれば、簡単にカスタマイズが可能です。
勤怠管理システムの場合はカスタマイズやオプション機能で追加料金が発生しますが、自社で使い勝手を調整できます。
(3)共有・保存が簡単
Excelの基本操作はすでに浸透しているため、汎用性が高く、社員間での情報共有も容易です。
勤怠情報は、法律上5年間保管することが義務付けられていますが、Excelで保存しておけば紙の書類のように場所をとりません。
4.タイムカードをExcelで管理するデメリット
(1)手作業が多くミスが発生しやすい
タイムカードをExcelで管理する場合、タイムカードからExcelへの転記やExcelのカスタマイズなどは手作業で行います。
作業数が格段に多くなるため、ミスも発生しやすいと言えるでしょう。
勤怠記録は給与計算や労働基準法に関わる重要な情報のため、ミスは許されません。
従業員とのトラブルのリスクや法律違反のリスクに警戒する必要があります。
(2)多様な働き方の対応が難しい
近年はテレワークやフレックス勤務など、働き方が多様化しています。
働く場所も社内とは限りません。
タイムカード方式では在宅による打刻が難しく、対応が困難です。
フレックス勤務が導入されている企業では、エクセルの設定がさらに複雑になり、自社だけでは対応しきれない恐れがあります。
5.タイムカードとExcelで勤怠管理をする際の注意点
タイムカードとExcelで勤怠管理をする際には、以下の点に注意しましょう。
(1)ミス防止の対策を講じる
勤怠記録の信頼性を確保するためには、タイムカードの打刻やExcelの入力に不正やミスがないかを確認することが重要です。
タイムカードの打刻を従業員本人が行うのはもちろん、Excelへの転記後はダブルチェックやトリプルチェックを実施しましょう。
(2)法改正に合わせて内容を更新する
働き方改革関連法など、近年労働者を取り巻く法律は大きく変化しています。
これらに適応するためには、タイムカードやExcelの設定を最新の法律に合わせて更新することが必要です。
特に残業時間や深夜労働時間の上限や休暇取得日数などは労働者の権利にも関わります。
運用方法や計算式を見直し、法に則った勤怠管理を行いましょう。
おわりに
近年は業種や事業規模に応じたさまざまな勤怠管理システムが登場しています。
国内だけでも30種類以上のシステムがリリースされており、無料で使えるものや従業員の人数に応じてお得に使えるものなど金額も多種多様です。
LINE打刻や生体認証など、タイムカードに替わる打刻方法も増えています。
タイムカードとExcelでの勤怠管理に限界を感じる前に、勤怠管理システムの導入をおすすめします。
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