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打刻方法の種類を解説!手書きやExcelの勤怠記録の問題点も紹介

打刻方法の種類を解説 未分類

勤怠記録に欠かせない「打刻」。打刻方法は現場で働く従業員の業務効率や働きやすさに関わります。

また、2019年の法改正により、企業には労働時間の客観的な記録が求められるようになりました。

この記事では打刻方法の種類について解説しながら、手書きやExcel手入力などで勤怠を記録する問題点について紹介します。

勤怠管理や打刻方法についてお悩みの労務担当者の方はぜひご一読ください。

1.そもそも「打刻」とは

出勤時刻・退勤時刻を記録することを「打刻」と言います。
打刻は勤怠管理の基盤となる要素。
従業員の出勤と退勤の時刻を正確に記録し、過度な時間外労働や休憩時間の不足などがないよう管理します。
打刻データは、給与計算・労働法の遵守・人事管理など、多くの側面に影響を及ぼします。

なぜ打刻が重要なのか

2019年4月より、企業が社員の労働時間を客観的な記録に基づいて把握することが法的に義務付けられています。

それまでは労働時間管理に関する法的な義務や基準が不十分であり、企業における労働時間の実態と記録が乖離している場合が多くありました。

近年、働き方改革として労働基準法改正や労働時間の上限規制などが実施されていますが、これらの施策は労働時間の正確な把握と管理が前提となっています。

企業が法律を守るためには正確に打刻できる方法を選択することが不可欠です。

2.打刻にはどんな種類がある?

勤怠管理システムにおいて、打刻の方法は多様です。
それぞれの方法には独自の特徴と利点があり、適切な選択が業務の効率化に直結します。
打刻方法ごとの特徴や、メリット・デメリットを紹介します。

(1)出勤簿に手書き・手入力で打刻

従業員が自分の勤務時間を紙やExcelに記入する方法です。小規模な職場や従業員数が少ない企業では現在もこの方法をとる場合が多いです。
手書きや手入力での勤怠管理はコストがごくわずかで済む上、導入が容易な点がメリットとして挙げられます。
一方で記録の正確性に乏しく、改ざんのリスクが高い点に留意が必要です。

(2)ICカード打刻

 従業員がICカードを読み取り機にかざして打刻する方法です。
ICカード打刻は、セキュリティを重視する中規模から大規模な企業に支持されています。
IT企業、製造業、金融機関などでは執務室への入退室記録を打刻扱いとする企業も多いです。
ICカード打刻は、迅速で正確な打刻が可能ですが、カードの紛失や破損時の対応が大変なこと、読み取り機のメンテナンスが必要なことがデメリットとして挙げられます。

(3)タイムカードによる打刻

タイムカード打刻は、従業員が専用のカードをタイムレコーダーに挿入して打刻する方法です。
従業員数が多い企業や、定期的な勤務時間が設定されている職場に適しており、工場、オフィス、教育機関などで使われることが多いです。
タイムカード打刻は昔からある信頼性が高い方法ですが、カードの保管や機器のメンテナンスが課題となっています。
また、後述する生体認証やパソコン・スマートフォンでの打刻に比べるとアナログな部分が多い方法でもあります。

(4)指紋や顔などの生体認証

指紋認証や顔認証など、生体認証を利用した打刻システムが近年注目されています。
これらの打刻システムは、従来の方法に比べて高いセキュリティと利便性を提供します。 従業員本人の指紋や顔をシステムで認証し、勤怠情報を管理することから、改ざんのリスク低減が可能です。
初期投資は高いですが、長期的なセキュリティと効率性を考慮すると有効な選択肢です。

(5)パソコン・スマートフォンで打刻

クラウド型の勤怠管理システムや独自のアプリを使ったパソコンやスマートフォンによる打刻も近年広まっている方法です。
テレワークや副業人材など、多様な働き方・雇用形態が拡大する中で、PCやモバイル端末から場所を選ばず打刻可能なので、IT企業を中心に選択されています。
打刻だけでなく、休暇申請や時間外申請などをシステム上で出来ることも大きなメリットと言えるでしょう。

このように、各打刻方法にはそれぞれの特性があり、業務の性質や規模に応じて最適な選択をすることが重要です。次のセクションでは、これらの打刻方法をさらに詳しく比較し、各業種やシチュエーションに適した打刻システムの選択方法について掘り下げていきます。

3.アナログな打刻方法の問題点

アナログな打刻方法、特に手書きやExcelで勤怠管理をおこなっている企業はまだまだ多くあるかと思います。
しかし、これらの方法には問題点がいくつか存在します。

(1)給与計算が大変

手書きやExcelでの打刻データは給与計算のプロセスを複雑化します。
システム化されていないため給与計算時にはデータの転記が必要ですが、入力ミスや計算ミスが発生しやすくなります。
給与計算に時間がかかり、給与額の誤りや支払い漏れが生じるリスクが高まります。
また、時間外労働の計算や休暇の管理などの処理にも多大な時間と労力が必要です。

(2)打刻漏れの管理が大変

手書きや手入力の打刻方法では、打刻漏れや記録ミスの発生が避けられません。
従業員が打刻を忘れたり、誤った時間を記録したりするケースがあります。
これらを手作業で確認・修正する作業は時間を要し、労務管理の効率を低下させます。

(3)不正な打刻ができてしまう

手書きやExcelでの打刻は不正行為が発生しやすい環境を提供します。
例えば、従業員が実際には出勤していないにもかかわらず、出勤していると偽ったり、遅刻や早退をしたのにフルタイムで出勤したかのように記録することも考えられます。
このような不正行為を防ぐためには、厳格に管理できるシステムが必要となります。

(4) 打刻データ改ざんが可能

アナログな打刻方法は、打刻データの改ざんを容易にします。
手書きの記録は後から書き換えることができ、Excelファイルも簡単に編集可能です。
このため、意図的な改ざんや誤記録による勤怠データの信頼性が低下します。

労働時間の記録が不正確であると、労働基準法や労働契約法などの法令違反の恐れがあります。
また、労働生産性や品質の低下や人材流出など、経営面に悪影響を及ぼすかもしれません。
以上の問題点を踏まえると、より安全で効率的な打刻方法への移行が求められます。
ICカードやパソコン・スマホアプリを用いた打刻システムは、これらの問題を解消し、正確で信頼性の高い勤怠管理を実現します。
データの自動化とデジタル化により、給与計算の簡素化、打刻漏れの防止、不正行為の抑制、データのセキュリティ強化が可能です。

4.おわりに

打刻方法は勤怠管理の効率と正確性に関わります。
手書きやExcelへの入力など、アナログな方法はコストが安く済みますが、その分日々の負担が大きくなります。
自社の業務形態、規模、予算に応じた最適な選択を行うことが重要です。
最新技術の動向に注目し、ニーズに合わせたシステムを検討することで、従業員の満足度向上や業務効率化に繋げていきましょう。