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勤怠控除(欠勤控除)とは?基本や計算方法・注意点を紹介

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勤怠控除(欠勤控除)は、企業が従業員の労働時間に基づいて給与を適切に計算する上で欠かせない仕組みです。
遅刻や早退、欠勤が発生した際にどのように給与が調整されるのかは、企業・従業員双方が正しく理解しておく必要があります。
本記事では、勤怠控除の基本的な考え方から計算方法、運用時の注意点を詳しく解説しました。
適切に勤怠管理を行うためにも、ぜひ参考にしてください。

1.勤怠控除の基本

勤怠管理において、「勤怠控除」は労働時間に基づいた給与を支払うためのものです。
遅刻・早退・欠勤が発生した場合、その分の賃金がどう控除されるのかを正確に理解する必要があります。
勤怠控除の基本的な考え方やその適用方法について詳しく説明します。

勤怠控除は「遅刻・早退・欠勤時に引かれる金額」のこと

勤怠控除とは、従業員が労働時間中に遅刻や早退、欠勤をした際、それに対応する賃金が給与から差し引かれる金額を指します。
具体的には、勤務すべき時間に勤務が行われなかった場合、その分の賃金が控除されることになります。

労働契約においては従業員が提供すべき労働と、それに対する賃金が結びついています。
遅刻や早退、欠勤で労働時間が減少すれば、それに伴い給与が調整される仕組みです。

「欠勤控除」は勤怠控除と同じ意味!

「欠勤控除」という言葉もよく使用されますが、これは勤怠控除と同じ意味を持ちます。
欠勤控除とは、従業員が一日または数日間の勤務を欠勤した場合、その欠勤に対応する賃金が給与から差し引かれることを指します。
したがって、欠勤控除は勤怠控除の一部であり、同じ概念を表すものです。

勤怠控除は「ノーワーク・ノーペイの原則」に基づく

勤怠控除は、労働法における「ノーワーク・ノーペイの原則」に基づいています。
「労働を提供しなければ、その分の賃金は支払われない」という基本的なルールです。

労働契約において、従業員は勤務時間内に労働を提供する義務があります。
同時に、雇用主はその労働に対して賃金を支払う義務があります。

しかし、従業員が遅刻や早退、欠勤などで労働を提供しなかった場合、その時間に対する賃金は支払われないという考え方が「ノーワーク・ノーペイの原則」です。
この原則に基づき、勤怠控除が行われるのです。

2.勤怠控除の計算方法は4種類

勤怠控除の計算方法は4種類あり、計算方法によって控除額が異なります。

・「月平均所定労働日数」から計算する方法
・「当月の所定労働日数」から計算する方法
・「1年の暦日数」から計算する方法
・「該当月の暦日数」を利用する方法
計算方法や欠勤のケースによって、従業員にメリットがあるものやそうでないものが存在します。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。

(1)「月平均所定労働日数」から計算する方法

企業が設定した年間の所定労働日数を12ヶ月で割り、月ごとの平均労働日数を導き出す方法です。
年間の所定労働日数が240日であれば、月平均は20日となります。
この20日を基に、遅刻や欠勤などによる控除額を計算します。

計算式は
欠勤控除額=月給÷月平均所定労働日数×欠勤日数
たとえば月給25万円、月平均所定労働日数20日、欠勤日数3日の場合は
25万円÷20日×3日=37,500円が勤怠控除額となります。

この方法は、月によって所定労働日数が異なる場合でも、安定した基準を保てることがメリットです。
一方で「所定労働日数21日の月に20日間欠勤し、1日だけ出勤している場合」でも給与が0円となってしまう計算方法とも言えます。
ただ、年間を通して見ると勤怠控除額の総額には過不足が発生しないため、違法性はありません。

(2)「当月の所定労働日数」から計算する方法

該当月に設定された労働日数を基に勤怠控除を算出します。
例えば、ある月の所定労働日数が22日であれば、その月の遅刻や欠勤の控除額は、この22日を基準に計算されます。

計算式は
欠勤控除額=月給÷該当月の所定労働日数×欠勤日数
たとえば月給25万円、該当月の所定労働日数22日、欠勤日数3日の場合は
25万円÷22日×3日=34,090円が勤怠控除額となります。

この方法は、月ごとの労働日数の変動に応じて控除額が変わります。
月ごとの実労働状況により近い形での計算が可能です。

(3)「1年の暦日数」から計算する方法

1年の暦日数(365日または366日)を基に勤怠控除を計算する方法です。
年間365日(閏年は366日)を基準に控除額を算出します。
この方法では、1年間の給与を365日で割り、1日あたりの賃金を求めてから遅刻や欠勤に応じた控除額を計算します。

計算式は
欠勤控除額=年間給与額÷365日(閏年は366日)×欠勤日数
たとえば年間給与額300万円、欠勤日数3日の場合は
300万円÷365日×3日=24,657円が勤怠控除額となります。


年間を通じて安定した控除基準を提供するため、給与計算がシンプルになる上、控除額が少なく算出されます。

(4)「該当月の暦日数」を利用する方法

該当月の暦日数を基に勤怠控除を計算する方法は、その月の日数、すなわち28日、29日(閏年の2月)、30日、31日のいずれかを基準に控除額を算出するものです。
この方法では、月ごとに日数が異なるため、控除額もそれに応じて変動します。
例えば、31日ある月と28日しかない月では、1日あたりの賃金が異なるため、控除額にも違いが生じます。

計算式は
欠勤控除額=月給÷該当月の暦日数×欠勤日数
たとえば月給25万円、該当月9月の暦日数30日、欠勤日数3日の場合は
25万円÷30日×3日=25,000円が勤怠控除額となります。

月ごとの労働日数に対する柔軟な対応が可能ですが、計算の手間が増える点には注意が必要です。

3.勤怠控除を運用する際の3つの注意点

勤怠控除を適切に運用するためには、いくつか押さえておくべき注意点があります。
企業が従業員との信頼関係を維持し、法的リスクを避けるためにも、控除に関するルールや手続きを明確にし、適正に実施しましょう。
勤怠控除を運用する際に注意すべき3つのポイントについて詳しく解説します。

(1)控除対象に「各種手当が含まれるのか」を明確にする

勤怠控除を行う際に、通勤手当や資格手当などの各種手当が対象となるかどうか明確にしましょう。
手当には、基本給とは異なる性質や目的があり、勤怠に応じて減額するかどうかは企業が決めることになります。

例えば通勤手当などは労働日数と連動しており、欠勤の場合は控除するケースが多いです。
一方で家族手当や扶養手当は労働日数と連動するものではないため、控除しない企業もあります。

企業はどの手当が控除の対象になるのかを明確に定め、従業員に十分に説明しましょう。
この透明性が、従業員とのトラブルを未然に防ぎ、企業の信頼性を高めます。

(2)就業規則に勤怠控除の計算式や条件を明記する

勤怠控除の計算方法や適用条件は就業規則に記載しましょう。
勤怠控除がどのように計算されるのか、どう適用されるのかを全従業員に対して明示できます。

また、計算式を明確に記載することで、従業員は自身の給与がどのように算出されたかを理解しやすくなります。
結果的に人事労務部門の問合せ対応やトラブル発生リスクを軽減させることができるでしょう。

(3)法律に基づいた勤怠控除の運用をおこなう

勤怠控除は、労働基準法をはじめとする関連法に基づいた運用が求められます。
違法な控除や過剰な控除は、企業にとって法的リスクを伴うだけでなく、従業員との信頼関係を損なう原因にもなり得ます。

企業は、法律に従った適正な勤怠控除の運用を徹底し、常に最新の法改正に対応することが必要です。
また、従業員が法律に基づいた適切な権利を行使できるよう、教育や相談窓口の設置などのサポート体制も整備するのが理想です。

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