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パートやアルバイトも有給取得は可能!条件や日数・有効期限を確認しよう!

パートもアルバイトも有給取得は可能! 未分類

パートタイマーやアルバイトとして働く多くの人々が抱える疑問の一つに、「有給休暇を取得できるのか?」があります。
日本の労働基準法は全ての労働者に有給休暇の権利を保障しています。
本記事では、パートやアルバイトが有給休暇を取得できる条件、さらには取得時のトラブル対処法について詳しく解説します。

1.有給休暇の基本知識

(1) 有給休暇の基本

有給休暇は労働者が働いた対価として得ることができる休暇です。
「有給」とあるとおり、休暇期間中にも給与が支払われます。
日本の労働基準法では、すべての労働者が有給休暇の権利を有しており、健康の維持やプライベートの充実を図るために重要な役割を果たします。
有給休暇の取得は精神的なリフレッシュに繋がるため、仕事の効率向上にも寄与するといえるでしょう。

 (2) 有給休暇を取得できる条件

有給休暇取得には、一定の基準が設けられています。
具体的には、以下の条件を満たす必要があります。

  • 勤務開始から6ヶ月間継続して勤務している
  • その期間中に全労働日の80%以上に出勤している

これらの条件を満たすと、パートタイマーやアルバイトであっても正社員と同様に有給休暇を取得することが可能です。

条件を満たすか不明な場合は、人事部門に相談するか、勤務シフトの記録を確認しましょう。

(3) 有給休暇の日数について

有給休暇の日数は、勤務期間と勤務日数に応じて増えていきます。

初めて付与されるのは、勤務開始から6ヶ月経過時点で、最低でも10日間付与されます。

その後、勤務年数が増えるごとに、付与される休暇日数も段階的に増加していきます。例えば、勤務年数が1年6ヶ月を超えると11日、2年6ヶ月を超えると12日と増えていきます。最大で20日まで有給休暇が付与されることになり、これは勤務年数が6年6ヶ月を超えた場合です。

有 給 休 暇  付 与 日 数
勤務年数6ヶ月1.5年2.5年3.5年4.5年5.5年6.5年以上
付与日数10日11日12日14日16日18日20日

2.パート・アルバイトも有給取得は可能!

パートやアルバイトでも正社員と同様に有給休暇を取得する権利があります。
具体的な条件は前項で述べた通り、「6ヶ月間継続して勤ていること」「その期間中の勤務日数が全体の80%以上であること」の2つです。

ただし、週4日未満で働いている場合は付与日数が通常と異なります。

以下の表を参考にしてください。

厚生労働省の資料より

3.有給休暇取得義務化とは

これまでは有給休暇取得について個人の自由とされていましたが、法改正により取得の義務化がスタートしました。
この取得義務化は、労働者の健康を守り、長時間労働の削減を図るための重要な施策です。

企業にとっても、ワークライフバランスの整った労働環境実現のための一歩とされています。
詳しい内容について以下で解説します。

(1) 2019年4月より働き方改革で義務化

2019年4月から、日本政府は「働き方改革関連法」の一環として、有給休暇の取得義務化を実施しました。
この法改正は、労働者が実際に休暇を取得しやすくすることを目的としています。
過去には有給休暇が付与されても実際には使用されず、労働者の健康やワークライフバランスが損なわれるケースが多くありました。
これを是正するため、政府は具体的な取得推進策を講じることにしたのです。

 (2) 年5日の有給休暇取得義務

新しい規制により、全ての企業は従業員に対して、年間に最低5日間の有給休暇を実際に取得させることが義務付けられました。
この5日間は、労働者が自由に取得できる日とされています。
この制度の導入により、労働者が積極的に休暇を取る文化が促進され、働く環境の改善が期待されています。

 (3) 義務化対象は年10日以上休暇を付与される人

有給休暇取得義務化の対象となるのは、年間に10日以上の有給休暇が付与される労働者です。
通常、労働者は勤務開始後6ヶ月を経過すると、年10日の有給休暇が付与されるため、ほとんどのフルタイム労働者がこの取得義務の対象になります。
パートタイムやアルバイトでも、勤務条件がこれに該当し、年10日付与される場合、同様に義務化の対象となります。

4.パート・アルバイトの有給取得に関するよくある疑問

パート・アルバイトの有給取得に関して、フルタイム勤務の社員とは異なるケースも、疑問が生じやすいものです。

よくある疑問や不安をまとめましたので、参考にしてください。

(1) 有給休暇は翌年以降に繰越可能?

有給休暇は付与されてから2年間有効です。
有給休暇を取得できなかった場合、その休暇は次の年に繰り越しでき、繰り越し期間は最大で2年までとされています。
2年を過ぎた未使用の有給休暇は消滅するため、計画的に使用することが重要です。

(2) 有給休暇の買取はしてもらえる?

一般的に、有給休暇の買取は禁止されています。
有給取得は労働者が実際に休暇を取得して休息を得ることを目的としています。
この目的に反するため、買取は認められていません。
もし会社側が有給休暇の買取を提案する場合は、それが法令違反であることを理解させる必要があります。

場合によっては労働基準監督署へ相談するのも有効です。

(3) 年次有給休暇を取得するといくら支払われる?

年次有給休暇を取得した場合、その日に支払われる給与は通常勤務を行った場合とほぼ同様に支払われますが、基準となる金額は企業の規則によって異なります。

計算方法としては主に3つあります。

  • 通常の賃金から算出するケース
     例えば「月曜は5時間勤務、木曜は4時間勤務」の人が月曜日に休んだ場合は5時間分の給与が支払われます。
  • 過去3ヶ月の実績から算出するケース
     直近3ヶ月の賃金総額を勤務日数で割った金額が支払われます。
  • 標準報酬月額から算出するケース
     社会保険料算定に使われる「標準報酬月額」から金額を日割り計算して算出します。ただし、健康保険の対象でない場合はこの方法は適用されません。

(4) 「うちの会社は有給休暇は無い」と言われたら?

もし雇用者から「有給休暇はない」と告げられた場合、それは労働基準法に違反しています。
すべての労働者は、一定の条件を満たせば有給休暇を取得する権利があります。
このような状況では、まずは労働基準監督署に相談し、自身の権利を主張することが重要です。
また、会社の人事部や労働組合(あれば)とも話し合い、正しい情報に基づいた対応を求めましょう。

まとめ

本記事では、パート・アルバイトの有給休暇取得について、付与される条件やよくある疑問について詳しく解説しました。
労働基準法が保証する権利を理解することで、自己の権利を主張しやすくなります。
有給休暇を計画的に利用し、環境をより良いものにしていく一助となれば幸いです。